第六管区海上保本部管内における海難発生状況 
       過去5年(平成29年~令和3年                

 
 第六管区海上保安本部から管内(山口県の一部を除く瀬戸内海5県)の平成29年~令和3年の5年間の海難データをいただきました。
 右図は、船種別の海難発生状況を表したグラフです。
 5年間で、1,837隻の事故が発生しています。
 年平均は、367隻となっています。
  右図は、上図を円グラフにしたものです。
1 プレジャーボートは、841隻で全体の「46%」
2 漁船は、396隻で全体の「21%」
3 遊漁船は、32隻で全体の「2%」
4 貨物船は、255隻で全体の「14%」
5 タンカーは、99隻で全体の「5%」
6 旅客船は、72隻で全体の「4%」
7 その他は、142隻で全体の「8%」
で、プレジャーボートはダントツの1位と成っています。 
    右図は、プレジャーボート(841隻:比率46%)の海難を「種類別」に集計し、円グラフとしたものです。
1 運航不能(機関故障)、193隻で全体の「23%」
2 乗揚げ、142隻で全体の「17%」
3 運航不能(その他)、142隻で全体の「17%」
4 衝突、112隻で全体の「13%」
5 運航不能(推進機・舵障害)、72隻で全体の「9%」
6 運航不能(無人漂流)、58隻で全体の「7%」
7 浸水、56隻で全体の「7%」
以下、単独衝突、その他、火災(爆発)と成っています。 
    右図は、衝突・単独衝突・乗揚げ(227隻:比率33%)を「原因別」に集計し、円グラフとしたものです。
1 見張り不十分、130隻で全体の「47%」
2 水路調査不十分、57隻で全体の「21%」
3 操船不適切、47隻で全体の「17%」
4 その他、43隻で全体の「15%」
と成っていますが、約半数が「見張り不十分」と成っています。
    見張りの徹底「見張りは安全の基本!
(1) 知識と五感のコンビネーション
 ① 他船との動向判断(高速船については、そのスピードを勘案した見張り・判断)
 ② 牡蠣筏や工事関係障害物の事前把握
 ③ 太陽高度が低い場合、反射光に船舶が隠れて見え難い
 ④ 霧の中では、音・匂い・雰囲気をも判断材料 
(2) 機器及び器具の活用
 レーダ、 双眼鏡、航海情報表示装置、暗視装置などの航海用機器それぞれを活用した見張りの徹底

 
  右の映像は、令和4年6月19日12時35分頃、浜名湖で、プレジャーボートと小型船が衝突する事隻があり、これをFNNプライムオンラインが、21日に報道した内容です。
 まだ、事故原因が海上保安庁から公表されていませんが、見張り不十分が原因とも考えられることから、掲載しました。
 見張りを怠ると、人命に関わる悲惨な事故が生じます。
 本映像で、見張りの重要性をご理解下さい。
  海難原因で「見張り不十分」以外に多いものは、
1 運航不能(機関故障)、193隻で全体の「23%」
2 運航不能(推進機・舵障害)、72隻で全体の「9%」
の機関等障害に関わるものです。
 船外機の場合、燃料タンクを持ち上げれば、燃料の残が分かり、燃料欠乏による漂流海難は防げます。
 また、エンジン音や冷却水量の変化等に注意すれば、機関の劣化状況が把握できます。
 海上保安庁は、船体・機関の発航前点検を勧めています。
 内容は、海上保安庁HP(https://www.kaiho.mlit.go.jp/syoukai/soshiki/toudai/navigation-safety/tenken.htm)に掲載されいます。(「海上保安庁HP」をクリック、関係先にジャンプします。)
 是非の励行をお願いします。 
 
 引用させていただいた「FNNプライムオンライン」のURL:https://www.fnn.jp/articles/-/377612
 皆様のご安航をお祈りします。